外壁塗装は100万円前後かかることが多く、「一括は厳しいのでローンを使いたい」という方は少なくありません。リフォームローンを使えば月々の負担を抑えて塗り替えができますが、金利や総支払額を知らずに契約すると、思った以上に払うことになりかねません。この記事では、外壁塗装に使えるローンの種類と金利の相場、「月々◯円でできます」という営業トークの落とし穴、そして総支払額の考え方までを整理します。借りる前に、損をしない判断ができるようになる内容です。ローン自体は悪いものではなく、使い方さえ押さえれば、無理なく塗り替えを実現する有効な手段になります。
ローンの前に:まず「元の金額」を下げる
最初に大切な前提です。ローンは便利ですが、借りれば利息のぶんだけ総支払額は増えます。だからこそ、ローンを検討する前に、工事そのものの金額を適正にしておくことが先決です。
具体的には、2〜3社の相見積もりで相場を把握し、一括見積もりの比較も使って適正価格にする。さらに、お住まいの自治体に助成金があれば活用する。こうして元の金額を下げてから、足りない分をローンで補うのが、いちばん無駄のない進め方です。元が10万円安くなれば、その分は利息もかからず丸ごと節約になります。費用全体の考え方は費用を軽くする制度のまとめにまとめています。
リフォームローンは大きく2タイプ
外壁塗装に使えるローンは、担保の有無で大きく2つに分かれます。
ひとつめが無担保型(リフォームローン)。家などを担保に入れずに借りるタイプで、手続きが手軽で審査も比較的速いのが利点です。一方、借入限度額は低め、金利は高めになりがちです。ふたつめが有担保型(住宅ローン一体型・リフォーム一体型など)。家を担保にするぶん金利は低めですが、審査や手続きが重く、抵当権の設定などの手間もかかります。無担保型は借入限度額がおおむね数百万円までで、返済期間も10〜15年程度までが一般的です。外壁塗装のように数十万〜百数十万円規模なら、手軽な無担保型が選ばれることが多いですが、屋根や他の箇所もまとめて直すなど借入額が大きい場合は、金利の低い有担保型も選択肢になります。どちらが得かは、借入額と返済期間で総額を比べて決めるのが確実です。
借入先は3つの系統がある
どこから借りるかも、金利や手軽さに関わります。大きく3系統です。
ひとつめが銀行系。金利が比較的低めですが、審査はやや厳しめで、申し込みから融資まで時間がかかることがあります。ふたつめが信販系(業者の提携ローン)。塗装業者を通じて申し込めるため手軽で、審査も速い反面、金利は高めになる傾向があります。「うちの提携ローンなら月々◯円」と業者がすすめてくるのはこのタイプです。みっつめが公的・自治体系。財形住宅融資や、自治体による融資のあっせん制度などがあり、条件が合えば低金利で使えることがあります。公的系は条件や手続きのハードルがある一方、使えれば負担を抑えられます。総じて、手軽さと金利は反比例しやすいので、急ぎでなければ銀行系や公的系も含めて比べるのがおすすめです。業者にすすめられた提携ローン1本で即決せず、ほかと総額を見比べるだけでも、支払いが大きく変わることがあります。
金利の相場と「変動・固定」
金利は借入先や商品、申込者の条件で大きく変わります。目安として、リフォームローンの金利は2026年6月時点でおよそ年0.9%〜17.8%と、非常に幅があります(イー・ローン調べ)。一般には、変動金利で年2%前後、固定金利で年4%台になることもあります。
金利には変動と固定があり、変動は借入当初は低めですが、市場金利が上がると返済額も増える可能性があります。固定は当初やや高めでも、返済額が変わらない安心感があります。2024年にマイナス金利政策が解除されて以降、日本の金利は緩やかな上昇傾向にあるため、変動を選ぶ場合は「上がっても返せるか」を意識しておくと安心です。なお金利は各社・時期で変わるので、最新の数値は各金融機関の公式情報で確認してください。
「月々◯円でできます」の落とし穴
業者の営業で多いのが「月々◯円でできますよ」という見せ方です。月額だけを見ると安く感じますが、ここに落とし穴があります。
大切なのは総支払額(元金+利息)で判断することです。月額が安くても、返済回数が多ければ総額は膨らみ、利息も増えます。ボーナス払いが含まれていることもあります。「月々◯円」と言われたら、「回数」と「総支払額」「金利」をセットで確認するようにしましょう。とくに業者経由の提携ローンは手軽なぶん金利が高めのことがあるので、同じ借入額でも銀行系と比べて総額が大きく変わることがあります。これは「足場代無料」のように一部だけを強調する見せ方と同じ構造で、得かどうかは全体(総支払額)で判断する必要があります。見積書と一緒に、ローンの総支払額も書面でもらうのが確実です。見積書の見方は見積書のチェック、よくある失敗は外壁塗装の失敗事例も参考にしてください。
総支払額の考え方(計算の目安)
イメージをつかむために、概算の例を挙げます。たとえば100万円を金利3%・5年(60回)で借りた場合、毎月の返済はおよそ1.8万円、総返済額は約108万円になり、利息は約8万円ほどです(あくまで概算で、実際は商品や条件で変わります)。
同じ100万円でも、金利が上がったり返済期間が延びたりすると、利息はさらに増えます。逆に、頭金を入れて借入額を減らせば、利息も総額も小さくなります。たとえば同じ100万円・金利3%でも、返済期間を10年(120回)に延ばすと毎月の返済は約9,700円に下がりますが、総返済額は約116万円、利息は約16万円と倍近くに増えます。月々を軽くするほど総額は増える、という関係を押さえておきましょう。「いくら借りて、何年で、金利何%か」を入れて総額を出せば、どのローンが有利かを自分で比べられます。多くの金融機関のサイトに返済シミュレーションがあるので、契約前に試算しておきましょう。
繰り上げ返済で利息は減らせる
ローンを組んだあとでも、まとまったお金ができたときに「繰り上げ返済」をすれば、残りの元金を減らして利息を圧縮できます。
繰り上げ返済には、毎月の返済額を下げる方法と、返済期間を短くする方法があります。利息を多く減らせるのは期間短縮型のほうです。ただし、商品によっては繰り上げ返済に手数料がかかることがあるので、契約前に「繰り上げ返済ができるか」「手数料はいくらか」を確認しておくと、あとから柔軟に動けます。ボーナスや臨時収入で少しずつ元金を減らしていくと、総支払額をぐっと抑えられます。
審査でみられること
ローンには審査があり、主に年収、他の借入状況、勤続年数、信用情報などが見られます。無担保型は審査が比較的速く、申し込みから数日で結果が出ることもあります。
審査に通りやすくするというより、無理のない返済計画を立てることが大切です。月々の返済が家計を圧迫すると、塗り替えはできても生活が苦しくなります。返済額は手取りに対して無理のない範囲に収め、ボーナス払いに頼りすぎないようにしましょう。複数のローンを同時に申し込むと、短期間に申込履歴が重なって、かえって審査に影響することもあるため、候補を絞ってから申し込むのが無難です。返済期間は「短いほど利息が少ないが月々は重い」「長いほど月々は軽いが利息は増える」という関係なので、家計に無理のない範囲で、なるべく短めに設定するのが基本です。
ローンを使うときのチェックポイント
最後に、ローンを使う前に確認したい点をまとめます。
- 総支払額(元金+利息)はいくらか。月額だけで判断しない
- 金利は変動か固定か。変動なら上昇リスクを理解しているか
- 返済回数・期間は適切か。期間を延ばしすぎていないか
- ボーナス払いの有無と金額
- 繰り上げ返済の可否と手数料
これらを書面で確認し、複数の借入先で総額を比べれば、ローンで損をすることはほとんどなくなります。とくに「総支払額」と「金利タイプ」の2点だけでも押さえておくと、営業の見せ方に左右されにくくなります。
よくある質問(FAQ)
外壁塗装は住宅ローンでまかなえますか?
リフォーム一体型の住宅ローンなどを使える場合があります。金利は低めですが審査や手続きが重いため、借入額やタイミングで無担保のリフォームローンと比べて選びます。
業者の提携ローンは使っても大丈夫ですか?
手軽さは利点ですが、金利が高めのことがあります。月額だけでなく総支払額を確認し、銀行系とも比べてから判断しましょう。
金利は何%くらいが目安ですか?
商品や条件で大きく変わり、年1%前後から二桁まで幅があります。最新の数値は各金融機関の公式情報で確認し、総支払額で比較してください。
ローンを使うと工事の品質は変わりますか?
支払い方法と工事内容は別です。ローンを使う場合でも、相見積もりや見積書チェックで業者と内容を見極めることは変わりません。
頭金は入れたほうがいいですか?
頭金を入れて借入額を減らすと、利息も総支払額も小さくなります。無理のない範囲で頭金を入れ、残りをローンにすると負担を抑えられます。
まとめ
外壁塗装のローンは、担保の有無で無担保型と有担保型に分かれ、借入先は銀行系・信販系・公的の3系統があります。金利は幅が広く、手軽さと金利は反比例しやすいのが特徴です。業者にすすめられるまま提携ローンで即決するのではなく、いくつか比べる手間が、そのまま支払いの差になります。
いちばん大切なのは、「月々◯円」ではなく総支払額で判断すること。そして、借りる前に相見積もりや助成金で元の金額を下げておくことです。費用全体の見取り図は費用を軽くする制度のまとめもあわせてご覧ください。